チャンダニ、7歳。
2019年7月西ネパールの村から救出されました。
父親は長く患っていましたが妻と幼い子どもたちを残して死んでしまいました。
母は砂利を集める仕事をしていますが、その日暮らしで子どもたちを養育することができません。
ゴスペルホームにやってきたチャンダニは、
スタッフの愛情をたっぷり受けながら、学校に通い始めました。
一学期を終え、初めてもらった成績表にはAやA+がたくさんありました。
チャンダニの夢は、医者になって貧しい人のために働くこと。自分のお父さんのように十分医者に見てもらえず死んでいく人がないように。
2019年カトマンズ市内に、ローカルリーダーたちによって設立されました。
現在、七人の子どもたちが村から救出され、暮らしています。
ホームの経済的支援とともに人材育成の支援をを行い円滑なホームの運営ができています。
「日本で働きたい」という夢の実現のため、カトマンズでも日本語を学んでいます。またエスター・バディの日本語学留学が実現しました。
西ネパールのバディ族の村では日雇いや採砂の仕事ぐらいしかなく、常に貧しい暮らしを強いられています。もし、現金収入があれば子どもを売らずにすむ。 そんな緊急性のもと現金収入や食料となるヤギ飼育のプロジェクトが始まりました。西ネパールの村につがいのヤギをおくり繁殖を図っています。
ローカルリーダー主導で西ネパール・スルケット州に試験農地(借地)を得ました。 現在、自然農法による作付けを試みています。
カトマンズの作業所ではアクセサリー作りをしています。バディカフェとの協力で日本に輸入、販売しています。
ネパール産のコーヒー豆を買い付け、バディカフェとの協力で日本に輸入、販売しています。
小さなミシンで始まる大きなビジネス。職業訓練をかねて布製品の製造をしています。
ゴスペルエイドではホームページ制作、アプリ開発に取り組んでいます。
ネパールでIT技術を用いた職業訓練を行い自立の道を開くほか、協働する仲間の育成を計っています。
持続可能な開発目標(SDGs)課題の解決に、私たちは貢献します。
ヒマラヤのふもとに位置する国、ネパール。この国では現在も多くの女性や子どもたちが文化的な生活のための基本的な条件も満足にそろわない環境で暮らしています。私たちゴスペルエイドは、ネパールの社会的弱者のために職業訓練、雇用創出、子どもたちの教育や養育のための経済支援の事業を行い、彼らの自立と基本的人権の充実に寄与しています。
私たちの活動は、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)のネパールにおける達成にも貢献しています。私たちの活動と関わりの深いSDGsゴールである、ゴール4「質の高い教育をみんなに」、ゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」とについてその課題と私たちの活動の貢献を紹介します。
ネパールでは、女性をはじめとする社会的弱者に対する差別的待遇が色濃く残っています。World
Economic Forum
が発表した2020年の全世界のジェンダー格差についてのレポートによると、ネパールのジェンダーギャップ指数は153の調査対象国のうち101位と、低い順位に順位付けられています。この要因は教育機会の関連指標においてネパールの達成度が低いことです。
教育機会の指標の一つである「識字率」は、ネパールの苦しい現状を示しています。この識字率を男女別に見ると、さらに苦しい現状を知ることができます。男性の識字率は78.6%。これに対して女性の識字率は59.7%に過ぎません。識字率の男女比(女性/男性)は0.76。従って、ネパールの識字率男女格差の世界順位は153ヵ国中132位と、非常に低い順位となります。
この状況はどこから生じているのでしょうか。第一に、私たちはこの問題の根源は文字を読み書きすることを教える初等教育が社会的弱者に行き渡っていないことにあるのではないかと考えます。実際に、ネパールにおける初等教育就学率の男女格差(女性の就学率/男性の就学率)は0.87。このデータは初等教育における格差とその後の識字状況の格差に少なからず連関があることを示唆しています。
第二に、ネパールでは多くの子どもたちがカースト制度の犠牲になってきました。下位カーストの人々はその経済的貧しさから、子どもを学校に送り出すだけの経済力を持ち合わせていません。経済力の乏しさを補うため、子どもたちは親の仕事を手伝わなければならない。自分で生きるための資金を稼がなければならない。児童労働を強いられているのです。それだけではありません。下位カーストの女の子たちは、人身売買、児童結婚、性的搾取、の対象にもされています。こうして女の子たちは家庭の経済的困窮の犠牲となっているのです。このような現状は下位カーストの子どもたち、特に女の子たちが初等教育を享受する機会を奪う大きな要因になっているのではないかと私たちは考えています。
このような状況に少しでも支援を届けようと、私たちゴスペルエイドは活動しています。私たちは2019年、西ネパールの村で児童労働を強いられていた7歳の女の子をカトマンズに設立した「ゴスペルホーム」に救出し、学校に通う機会を与えることに成功しました。彼女はホームのスタッフに愛され、安心して暮らしています。そして初めて手にした自分の成績表に、学ぶうれしさ、教育の大切さを知ることができました。その後も農村部で夫の不貞により見捨てられた妻と3人の子どもたちを救出しました。彼女らは女性蔑視の厳しい村で露頭に迷っていました。ホームにやってきた母親はゴスペルホームで働きながら子どもたちを養育し、子どもたちは学校教育を受ける機会を得ることができています。
私たちはこれからも教育機会に恵まれない子どもたちに学びを届けるとともに、カースト差別、因習、女性蔑視に苦しむ女性らの生活改善のために活動していきます。一人でも多くの見捨てられた人、子どもが助け出され、その結果としてSDGsの目標である、識字状況の改善、初等教育就学状況におけるジェンダー格差の改善がなされ、ひいては身分や性別による差別のない社会がネパールにもたらされるよう活動を続けます。
ある宣教師が、ある集会で、衝撃的な言葉を放った。
「もしあなたがネパールに生まれ、バディ族に生まれたとしたら
あなたは自分の9歳の娘を売らなければ、生きていくことができない」
その瞬間、私はこの少女たちのために、何かしなければならない、
と思った。
同時に、
何ができるのだろうか、この私に
と思った。
当時、私の長女が9歳だった。
この子を売る・・・・?
そんなこと絶対できない。
しかし、生まれた場所が違うからという理由だけで
このおぞましい現実に生きる人々がいる・・・
この現実を変えるために、私は
自分の関わるゴスペル・コミュニティを巻き込むことにした。
ゴスペルクワイアでは日々、歌を通して学ぶ。
かつて身分差別を受けていた人々が
ゴスペルの力で社会変革をもたらしたことを。
この価値観を持つ人々と共に始めたのが、ゴスペルエイド。
月500円の小さな支援からスタート。
今では、支援してきたバディが、ついに自力で
立ち上がった。
この先にあることを、皆さんと一緒に見ていきたい。
いつか、全てのバディが自由に羽ばたける日まで。
ゴスペルエイド 佐藤美香