ネパールスタディツアー2020春(参加者からのレポート)

2020年3月7日

雑草の水

2/24〜3/3まで、ネパールツアーに参加してくださった百田さんからのレポートです。

今回百田さんは、水道システムを使わない農法を試すために、参加してくださいました。

新しい農法。

地球にも、地域にも優しく、持続可能な農法です。

これが上手くいけば、山奥のバディも、畑を作れる!野菜が作れる!もう子供を売らなくてもよくなる!!

今後に期待大!!です

バディ族が所有する農地での可能性について考察します。

農地は粘土質であり、踏み固まったような固さはあるが、清浄で農地としては十分ポテンシャルが高いと思います。

気温は冬でも零下になることはなく、温暖であるため、一年を通じて作物を育てることが可能です。

雨季と乾季があり、我々が訪れた2月は乾季の最中でありましたが、8日間のうち3日は雨天となり、農地視察の時点も雨であったため、土地の乾燥の程度は観察できませんでした。

しかし、生えている雑草の様子から、農業用水を施さずとも栽培は可能であると思われます。

農業をスタートする上で、バディの人々が最も問題視している水の供給についてですが、

ネパールでは一般的に、ボーリングにおいて地下水を掘り出す大規模な工事を必要とする常識があるそうです。

しかしながら、せっかく費用をかけてボーリングにより地下水を掘り当てても、それが枯れてしまうかもしれないというリスク。

また農業用水はその限りある資源である地下水を大量に消費するため、次世代に水を残すという課題において、世界的な問題となっています。

そのような中で、水を施すことなく栽培する、私が提案する自然農法は、ネパールでの農業においてとても有益であると考えます。

水を施さずとも成長する雑草をみてもわかるように、本来植物は人の介入は最小限で育つことができます。

雑草の水の供給の一つは朝露です。特にネパールは昼夜の気温差が大きいため、今回の視察で十分な朝露を観察できました。

そして、もう一つの供給は、植物が主根を発達させることによって、月の引力で水位が上昇する地下水を自らくみ上げる事です。

この原理を用いて栽培する自然農法は、このバディの土地ですぐに実践できる有効な栽培方法だと思われます。

また現状において、日本の農地の大半が危機をむかえているという見方もあります。

それは、田畑の産業化によって過剰に肥料が施されることによる障害のミネラル不足の作物、地力低下による病害虫に対する抵抗力の低い作物、農薬、除草剤などの薬物汚染された農地の拡大などがあげられます。

そのような中で、未開拓のバディの土地はとても貴重であり、本来の土地の力を利用した作物は、日本人にとっても非常に価値の高いものであると思われます。

日本では発酵や微生物が現在ブームになっているので、もともと土地に住む微生物と共生しながら作物を育てる自然農法、そしてヒマラヤの麓という自然環境に恵まれた場所で育つ作物という魅力が、商品としての価値を高めると思います。

そして、肥料を施す慣行農法や有機栽培と違い、自然農法の作物は成長も緩やかで大きさも小ぶりです。

ですから、商品化の作物を選定する場合、ネパールで一般的に栽培されている野菜よりも、希少価値の高いものや、シード部分が商品となるもの

(香辛料など)、そして野性的な植物(ハーブなど)が適していると思われます。

もし農地をバディ族の食料自給のために使う場合、バディの人たちは肥料として家畜の糞尿を使用したいと思いますので、最初から完全に土地を分けてもらうのが良いと思います。